韓国で数年ほど前から注目を集めている「숲유치원(スップユチウォン/森の幼稚園)」。
名前だけ聞くと「本当に森で一日過ごすの?」「雨の日や冬も外遊びするの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は私の息子も、現在숲유치원(森の幼稚園)に通っています。
この記事では、韓国教育部や環境部が発表している資料をもとに、숲유치원の概要と、親として感じたリアルな体験談を交えてご紹介します。
1.숲유치원(森の幼稚園)とは?

森の幼稚園とは、ドイツや北欧の森の幼稚園をモデルに韓国で広まった自然体験型の教育プログラムです。
教室ではなく森や自然の中を遊び場として過ごし、自然そのものが教材になります。
韓国では2008年頃から試験的に始まり、2015年以降は教育部(교육부)と環境部(환경부)が「유아숲체험원(幼児森林体験園)」を全国に整備し、公的に支援しています。
現在では全国に数百か所あり、都市部でも숲유치원に通える環境が整っています。
2.よくある疑問と親の体験談
3.숲유치원(森の幼稚園)のメリットとデメリット(親目線)
- 体力や免疫力がつく
- 自然を身近に感じられる
- 好奇心が広がる
- 集団活動を通して協調性が育つ
- 洗濯物が増える
- 虫対策が大変(虫よけスプレーや長袖が欠かせません)
- 送り迎えに体力が必要
親としての負担もありますが、それ以上に「子どもの成長を実感できる」という大きな魅力があります。
①韓国の幼稚園事情と숲유치원を選んだ理由
日本に比べると、韓国は幼いころから必要以上に勉強をさせる傾向があります。
最近になってこそ「幼児期には遊びも大切」と考える親も増えてきていますが、現実は幼稚園に入るとテコンドー、水泳、英語、ハングルの読み書き、ピアノ、バレエ(女の子の場合)など、習い事を次々にさせる家庭が多いです。
私自身も「勉強よりも、今の時期に合った活動をしてほしい」と思い、숲유치원を選びました。
ただ、園長先生のお話では、保護者からの要望で英語やハングル、数の時間を増やしているそうです。
それでも他の幼稚園に比べれば、森で遊ぶ時間や工作の時間が多いと感じています。
特に印象的なのは、自然のものを使った工作や、子どもたち自身が考えた遊びを先生に提案して実践できること。
単に自然で遊ぶだけではなく、「自ら考えて動く力」を身につけてほしい、というのが親としての願いです。
なお、숲유치원といっても園によって教育方針が異なるので、必ず見学をして「自分の子どもに合っているか」を確認することをおすすめします。
4.費用や準備について
숲유치원は、公立園が運営する場合は追加費用が少なく済むこともありますが、私立や特性化コースだと月謝がやや高くなることもあります。
私の体感では「一般の幼稚園+α程度」という印象です。
持ち物は季節によって変わりますが、基本的に一般的な幼稚園と同じです。
- 春・秋:レインコート、長靴、替えの靴下
- 夏:虫よけ、帽子、水筒
- 冬:厚手の防寒着、スキー手袋、ネックウォーマー
夏は虫対策が欠かせません。うちでは虫よけスプレーや虫よけシールを活用しています。
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①安全面はどうなの?
森で活動するので、転んだり虫に刺されたりのリスクはあります。
ただし先生の数は通常の保育よりも手厚く、韓国教育部のガイドラインに沿って安全マニュアルも整備されています。
実際に息子が転んで擦り傷を作ったこともありますが、その場で先生がすぐ対応してくれて安心しました。
夏でも生地の薄い長袖長ズボンを履かせると虫刺されが少なくなったり、ケガ防止にもなります!
5.子どもの変化
숲유치원に通わせて一番感じるのは「心と体の変化」です。
- 虫を怖がらなくなった
- 自分で考えて遊びをつくるようになった
- 体力がついて、風邪も減った
- 集団の中で協力する姿が増えた
家に帰ってから「今日は○○を見つけたよ!」と楽しそうに話す息子を見て、親としても驚きと喜びを感じています。
6.まとめ:숲유치원に通わせて良かった?
最初は「雨の日に外遊びなんて大丈夫かな?」「冬は寒すぎない?」と不安もありましたが、通わせてみると息子が毎日楽しそうに通っている姿を見て、本当に良かったと思います。
自然の中で過ごす時間は、親世代が子どもの頃には当たり前だった体験。
でも今の都市生活ではなかなか得られないものです。
숲유치원は、その貴重な経験を子どもに与えてくれる大切な場所だと実感しています。